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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

今度こそちゃんとすすって食べる。
「…旨いの?」
「お…美味しいです…」
「…へぇ」
無表情のカルロに何度も蕎麦を食べさせられながら、ミレイはどんどん恥ずかしくなってきた。
「こんな不味い蕎麦を…。クッ…、あんた、幸せな舌してるな?」
ふと──カルロが見せた馬鹿にした笑み。
それにすらも、ドキドキしてしまう。
蕎麦を味わう余裕なんてなかった。
「…残りは自分で食べろ」
「はい…//」
半分ほどを食べさせた後で
面倒くさくなったのか…。箸を置いたカルロは机に頬杖をつく。
彼の蕎麦もまだ残っているけれど、これ以上はいらない様子だった。
「食べ終わったら、教えなよ」
「…、また寝るんですか?」
「──…いや」
再びミレイは箸を持ち、左手を使ってちまちまと食べ進める。
その横で、食事を終えたカルロが店の出入り口を注視していたとは……
気付くことなく。

