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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

“ カルロさんはよくわからない人だな ”
血も涙もない、なんて思ったこともある。
何を聞いてもそっけなくしか返してくれない。
《 冷酷な男 》
東城三兄弟のひとりというだけで周りの友人は彼を恐れているし
ミレイだって同じだった。
…でも、何だかんだ言いつつも助けてくれる。
いつも寝てばかりの変わった人だが、周りで囁かれるような悪い人ではないと思うのだ。
そもそも
不思議に思うことがある。
“ この手錠… ”
ミレイは蕎麦を口に運びながら、繋がれた右手に視線を落とした。
そもそもカルロは、この手錠をはめられた事に本当に気が付かなかったのだろうか。
無線の声すら聞き取れる彼なのに、ベンチに近付いたミレイに気付かなかったとは考えにくい。
“ わたしを助けるために寝たふりを…? ”
それとも
気付いても尚( ナオ )、ミレイを追い払うのが面倒だったのだろうか。
それほどにあの時の彼は
彼女に対して " 無関心 " だった、ということなのかもしれない──。

