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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「…ハァっ…ハァっ…」
カルロに手を引かれながら走るしかない。
そうしていると、自分達の背後を、別の誰かも走っていることにミレイは気付いた。
「追ってきてる…!?…ハァっ」
「……」
刺客がきている。
狙われているのは自分だ。
「これ…!! 捕まったらどうなるんですか」
「…知らない」
カルロが走っているのを初めて見たから、よけいにミレイの恐怖はあおられた。
「次を右だ」
彼は頭の中の地図をたどりながら、迷いなく進んでいく。
“ このまま ふりきるつもりなの? ”
追跡者をまけるほど、相手との間に距離はない。
「ハァっ…表に出たら駄目なんですか…!?」
表通りに出れば他の生徒が沢山いる。
そこに隠れれば良いのではと、ミレイは彼に提案した。
「それは素人のする事だ…っ」
しかしカルロは従わない。
一般人をまきこむようなマネは、実際の仕事ではありえないのだ。

