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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「──…いや、関係ないか」
“ カルロさん…? ”
「それより前」
「…あ!」
少しの油断のせいで、むき出しの配管につまづきかけたミレイ。
するとカルロは彼女の腕を引き、一瞬腰を屈めたかと思えばその身体を抱き上げた。
「きゃっ…!? カルロさん!」
「舌噛むよ」
片手が繋がっているせいで走りにくかったのだろうか。こちらのほうがマシとでも言いたげに、カルロはそのまま走り出す。
“ え、え、ええ…っ…!? ”
二人で走るよりスピードは増したような気がする。
照れてなんていられない緊迫した状況で、背後を追ってくる刺客の姿を見ながら、ミレイは振り落とされないようにで精一杯。
自由なほうの手をカルロの肩にまわし必死にしがみついた。
カルロを信じて、ゆだねるしかなかった。
「路地をぬける前に終わらせる。…そろそろ、ダルい」
目の前にはまた曲がり角だ。
そこを曲がったカルロは、走る足を止める。
「もう、逃げないの…?」
「……」
スチャ──
そっとミレイをおろしたその手で、カルロは胸元から銃を取り出した。
そして銃を構える。
狙いは──そう
追っ手がこの曲がり角にたどり着き、姿を出す瞬間だ。
「ハァ…っ」
足音が、近付く。
もう、すぐ そこ───
──ズガン!!!
ミレイが緊張で唾を呑んだ瞬間
建物の壁から飛び出してきた追っ手は、カルロの銃の餌食となった。

