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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

銃弾は、刺客の胴体に命中していた。
近距離から撃たれた衝撃で男は吹き飛び、路地の真ん中でばったりと倒れる。
「ハァっ…ハァっ…」
それを確認し、ミレイはその場に尻もちをついた。
やはり刺客はアンドロイドだった。
銃弾を受けて男の身体から飛んできたのは血しぶきではない。金属製の部品だ。
「これって…もう動かないんですか…!?」
「……」
座ったミレイの横に立つカルロは、負傷したアンドロイドを冷たい目で見下ろす。
二人のいる路地には、機械の焦げた臭いがただよっていた。
......
「…怖かっ…た」
どこか不気味な沈黙の後、ミレイが無意識に呟く。
“ これが実戦訓練…これが、ガードマンの世界 ”
「…ク…何を、いまさら」
「こうやって追い回されたの、初めてで…!!」
彼に鼻で笑われても無理はない。
これは訓練だ。
本当なら…そこに倒れているのはロボットなんかじゃない。自分を狙うのはゴム弾じゃない。
こういう世の中で、その危険の渦中に飛び込もうというのがボディーガードなのだ。
こんな事に怯んでいるようでは、彼女も未熟だということだ。

