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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「ハァっ…」
「…?」
頭上から大きな溜め息が聞こえ、立っていたカルロが彼女と同じ様に腰を下ろした。
「疲れた 寝る…」
そしていつもの言葉。
たとえそこが暗い路地で、目の前で壊れたアンドロイドが煙をあげているとしても
彼は気にしない。
「…まって、待って下さい!」
「…ンっ…何?」
「寝たら危ないですよ、また…来るかも」
「その時になったら起こしなよ」
「ちょ…ッ」
周りに寄りかかる物が無く
カルロが枕に選んだのは、ミレイ。
斜め後ろから体重を預けてきた彼は、ミレイの肩に頭をのせた。
…静かにならざるをえない。
「寝ないで…下さい…」
「──…」
動いたら彼の頭が落ちてしまうから、下手に身動きもとれない。
横を向けば唇が触れるほどの位置に男の顔がある。
それを意識すると、呼吸にさえ気を遣った。
けれど今のミレイは照れているわけではなかった。
「あの…! 」
「…そんなに、怖いの?」
カルロは目を閉じて問いかける。
「無防備に蕎麦を食ってた…あんたが」
「だってあの時は…──」
あの時は、隣でカルロさんが起きていたから──。
「お願いです、寝ないで…!」
「…ふん」

