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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

溜め息混じりに言われたこの言葉は、初めてじゃない。
「わたしたち…前に一度、どこかで会っていませんか…?」
「……?」
「少し昔、……たぶん」
たぶん、3年くらい 前──
「──…」
カルロはまだ動かない。
だから彼の顔を見ることはできないけれど、ミレイは確かに思い出したのだ。
見知らぬ男達に連れ去られそうになった自分。
そこに現れて、助けてくれた青年。
顔は逆光で見えなかった。
けれど……
《 …世話のかかる女 》
あの声だけは、薄れゆく意識のなかでも、しっかりと耳に届いたのだ。
「──…あなたは、まさか…」
----- ピピ
ピーー!
「…っ…わ!?」
その時、耳につけた無線機が、不意に起動して音を発した。

