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第16章 Mission.２ ～ 逃避せよ

「まさかあんた──…枢木アンナの娘か？」


ミレイが知らせるより先に、無線の声を聞き取っていたカルロは顔を上げていた。


そして振り向いた彼女と目を合わせる。



「…え…？ どうしてお母さんの名前を…」

「……!!」


この時、カルロは初めて見る表情をしていた。

目を見開いて…焦っているように見える。どんなことにも動じなかった彼が。



「お母さんを知っているの……？」


枢木 アンナ。

彼の口から母の名が出てくるとは思ってもみなかったミレイは、顔をそむけたカルロに聞き返す。


カルロはそれに答えず

その場から立ち上がった。

手錠はすでに外れて、二人の間に落ちている。