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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

しかしカルロは彼女に目を向けず天井を無表情に見つめるだけ。
「あ…本が落ちています」
「……来るな」
その声だけで牽制する。
ミレイは彼に従って立ち止まった。
「カルロさん…」
手錠で繋がれ、二人で追っ手から逃げたのは昨日の出来事。
何に怒ってしまったのか
カルロはいきなり彼女を突き放したのだ。
「昨日はきちんとお礼が言えませんでした。あんなに迷惑かけたのに。それに…」
お礼をしないといけないのは、なにも昨日の事だけじゃない。
「──…それに3年前も」
「……」
「あなたは、わたしを助けてくれた。…そうですよね?カルロさん」
「…違う」
「嘘です!これだって…っ」
否定するカルロの前で
ミレイはブローチを取り出して、それをパカリと開けた。
中には銀色のバッジ──
「……!!」
「これはカルロさんのですよね」
お返ししますと、彼女は翼様の銀バッジをカルロに差し出した。

