この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

カルロはもちろん受け取らない。
「…もうひとつ、あるのか」
「こっちは母の形見です」
彼女が開けたブローチの中には、差し出した物と同じバッジが入っていた。
「お母さんはここの卒業生でした。わたしが小さい頃、任務中に死んでしまって…──。カルロさんは母を知っていたんですよね?」
「……、知らない」
「でも…っ…じゃあなんで名前を」
「五月蝿いよ」
「……っ」
また会話をシャットアウトされる。
こうなってしまうと、彼は何を言っても取り合ってくれないだろう。
“ こんな筈じゃなかったのに… ”
こんな筈ではなかった。
3年前の、あの青年──。
彼を見つけてお礼を言いたい。どうして自分を助けてくれたのかを聞きたい。
それがLGAにきた目的のひとつであり、頑張るための原動力でもあったのに。

