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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

「どこにあったの…?」
「お前バカか?冷蔵庫ん中にあったろ」
それもそうだ
「…っ…じゃなくて、誰のなの?」
「お前かスミヤ、どっちかのだろうな」
「──…!じゃあスミヤさんのね!」
なんとハルトは、スミヤの用意したチーズケーキを勝手にスープに入れてしまったのだ。
言われてみれば、スミヤは紅茶に合うお菓子をよく取り寄せている。
「お、怒られても知らないから!」
「あいつに何言われよーと どうでもいいし。つか、お前の作ってるスープだろ」
「…ぇ」
“ これ、わたしが怒られるの!? ”
「…怒ったら…怖いの?」
「あいつの報復は陰湿だからなー。ま、覚悟しとけば?」
「卑怯よっ…」
「自業自得なんだよ」
自業自得、──その言葉の意味するところをはたして彼は知っているのか。
ハルトの自分勝手な言い分に呆れながら、ミレイはこの後の対応に困り果てた。
そんな彼女の反応に、ひとまずハルトは満足する。
「ククッ…焦りすぎだろ。あー、笑える」
「ばれたらどうしよう…」
「ばれねぇよ。スミヤは帰ってこないからな」
「……?帰って、こない?」
どういう意味だろう
「LGAが新たに依頼を引き受けたからな。スミヤもカルロも仕事に出ていった。学園の外だ」
ケラケラと笑うハルトは、年相応に少し子供っぽく見えた。

