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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

「仕事に行ったってことは…。じゃあカルロさんはいないのね」
そういうことなら、彼のためにスープを用意しても意味がない。
「なんだよ、その顔」
「……っ」
「気に入らねぇ…」
「…な、何が?」
笑うのをやめたハルトにじっと見られて
自分がカルロの名を呟いていたことを自覚する。
「カルロの奴がどうかしたのかよ?まさか…あいつのために作ってるんじゃねぇだろうな」
「…っ、違う」
「──…へぇ、ならさっさと作れば?」
「ちょ…」
ハルトはコンロまでやって来ると、台に両手を置いてそこに立つミレイを腕の中に閉じ込めた。
「やめて…!」
逃げられない。
それにすぐ前には火があるから、危なくて抵抗もできない。
「…いいから作れよ」
「作るにしても…!あなたのせいでスープは台無しだし」
「は?ちゃんと味を見たのかよ」
「確かめなくてもわかるでしょ!どう考えても美味しいわけが…──」
「とりあえず味みろよ」
「~~~!」
ケーキをぶちこんでくれた当の本人が無茶なことを言ってくるので、白くなったスープをおたまで掬って味見することに──。

