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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

すると
「あれ?美味しい…」
想像していた味と全く違っていたのだ。
コンソメ風のありきたりな味がクリーミーになり、チーズの香りもほどよいアクセントになっている。
「ふん…。ケーキなんか、どうせバターと小麦粉の塊だろ。そうそう不味くなるか」
「へ、え…、意外」
勝ち誇ったように言うハルトに、言い返してやりたいけれど…
塩コショウで味を整えれば、これはこれで美味しいスープになりそうだ。
「礼はないのかよ」
「…っ」
悔しい…!
「そ、それよりハルトくんは任務に行かなくていいの?銀バッジ持ってるんだから、外に出ることができるんでしょう?」
スープの命は無事だったが
ハルトと密着したこの状態はなんとかしたい。
そんな意図もあって話題を戻したミレイに
「……俺は行かねぇ」
ハルトは顔をそむけて呟いた。
行かない──いや
正確には、行けないのだ。
「俺はまだ外に出られない」
「そうなの?」
これまた意外な事実だった。
ハルトほど話題にあがる男なら…とっくに依頼任務をこなしていると思っていたのに。

