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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第18章 not genius, but....

「ンなわけあるかよ。これは…俺が勝手に覚えているだけだ。……ナメられないために」
「ぁ…そう…」
ハルトが低いトーンで呟くように話す。
ミレイはそれを聞いてほっとした
なんだ、驚かさないでよ、と。
でも──…ナメられるって、いったい誰に?
それを彼女は疑問に思った。
「そうか…、でも天才って羨ましいな。そうやって簡単になんでも覚えられちゃうんだもの」
「……」
ハルトからの返事はない。
「わたしはこれまで必死に勉強してきて、それでも3ヵ国が限界…。語学以外にも覚えることはたくさんあるわ」
「…フ…努力の天才、あたりでも目指しとけよ」
「…、そうする」
「いくら必死にやっても凡人に変わりないけどな。本物の天才に笑われるだけだ」
「っ…忠告ありがとう」
相変わらず、嫌味な言い方しかできない男だ。
ミレイはハルトが見ていない隙を狙って、彼に向かって下唇を尖らせた。
イーーッ
勝手に威張ってればいいでしょ天才め!

