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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

カルロが手持ちの鞄からパソコンを取りだして電源を入れる。
「…な…何を見ているんだ?」
「……」
男達に問われてもカルロは無視だ。
彼が見るパソコンの画面には、ビル内の監視カメラの映像がいくつも映しだされていた。
“ 出口のシャッターが下りているのか…? ”
彼はそれを見ながら、ビルの様子を確認した。
何故か、対テロ用の緊急システムが作動している。
本来なら外からの侵入を防ぐための装置だが…。
──つまり、閉じ込められたわけだ。
「…、とんだ挑戦状だ」
次に金属棒を取り出したカルロは、エレベーターのドアの隙間にそれを突き刺すと無理やりこじ開けた。
グッ...
エレベーターは自動的に最寄りの階で停止している。
カルロはいとも簡単に停止したエレベーターから脱出した。
「…!? 待て!どこへ行く気だ?」
「……システム管理室だ」
置いてけぼりをくらいそうな男達は、出ていこうとするカルロをすがるように呼び止める。

