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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

それはとても危険で
彼女が恐怖を感じる表情。
「いやだ!カルロさん!!」
「──‥!?」
ミレイは縁側まで全速力だった。
手遅れになる前に大声で叫んだ。
「…っ…あんた」
彼女の不意な叫び声を受けて我に返ったカルロの手から、猫が滑り落ちる。
「その子を離して!」
ぐったりとした可哀想な猫は、首を解放されても鳴かなかった。
椅子の足元でくたりと崩れる。
ミレイは膝をついて猫の容態を確認した。
“ よかった…生きてる! ”
自力で呼吸を始めた猫に安堵し
カルロを見上げて…責め立てる。
「何て事をするんですか!?」
「……!!」
カルロは椅子から立ち上がり、必死の形相で怒るミレイを前に動揺している。
彼女の剣幕に怯んでいるのか。
「どうして猫を殺そうとしたんですか!?」
「……っ」
「──…きゃッッ」
…いや、怯んでなどいなかった。

