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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

「たかが奴隷が、調子にのるからだ」
「…っ…ね、ねこが」
「……」
ミレイはなんとか声を絞り出す。
「カルロさんは猫が、好きなんでしょう…!? なのに、あんな酷い、こと」
「猫が好き…?…何故、そう思う」
「スミヤさんに、教えてもらったからです…!!」
「スミヤか」
スミヤがミレイに何を話したのか…
知りようもないカルロだが、妙に納得した顔で呟いた。
「確かに昔、俺たちは猫を飼っていた…。…青みがかった灰色の、年老いた猫だ」
だが……と、カルロは言葉を呑む。
「ク、クク…、やっぱ馬鹿だなぁ、あんた」
「…え?」
「どうせあいつは全部話したんだろう…?
俺が、その猫を殺した事も…な」
「‥‥殺し た‥!?」
「そうだ。十年以上前だ」
彼から告げられた真実──
ミレイは混乱に陥る。

