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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

「そんな話…ッ!聞いていません…」
「知らなかったのか?まぁ、どうでもいいけど」
この真実を告げるのが、スミヤだろうとカルロだろうと…そこに大きな差はない。
「あんたには忠告した筈だ。
『俺に関わるな、殺すぞ』…と」
首を傾け、震えるミレイを笑うカルロ。
「…言葉のあやだと思ったのか」
「それは…っ、だって理由もわからないのに殺すだなんて脅されても」
「俺は本気だ」
肩を掴んでいる方とは逆の手で、カルロは彼女の頬に触れた。
顔を隠していた髪の毛をすくい
パサリと横にはらう。
ミレイは肩をすくめて俯いた。
今のカルロと目を合わせたら…話す口さえ動かなくなる。
「……っ」
「…ふん」
下を向いて震える女を前に、カルロは口許に浮かべた笑みをおさめた。
ミレイを見下ろす彼はいつもの無表情に戻る。
だが、どこか満足気に見えるのは気のせいか。
「…これが最後のチャンスと思いなよ」
彼女の肩から手が離れる。
前屈みになっていたカルロは、身体を起こして椅子から離れた。

