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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

彼女にできるのは、弾けそうな彼への想いをぶちまけるだけだ。
胸を突き破らんとする悲しさを、涙として溢れさせるだけ──。
「なんで猫を殺したんですか!? なんでそれをわたしに伝えるんですか!? なんで…っ…それを笑いながら話すの…!?」
「……」
「こんな酷いこと、ない…!! 殺しただなんて、どうして──…っ」
ぼろぼろと大粒の涙とともに、椅子に座ったまま泣き崩れるミレイ。
「──…!?」
彼女の突然の啖呵( タンカ )にカルロは驚いたものの
対応のしかたがわからない。
「…なん だ……その、涙は」
何故、この女が泣く?
俺への恐怖で泣いているのか──?
「…何に泣く必要がある」
…もしそうなら、都合がいい。
俺に恐怖を感じたなら、こいつは二度と俺に近付かないだろうからな。

