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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

「泣くほど怖いのか?」
「……っ」
「──…それとも嫌悪か」
それなら…と、カルロは納得できた。
誰にも語ることなど無かった過去だ。彼女のこれが普通の反応なのかもしれないと。
《 何の涙だ? 》
「…っ、わたしが泣いているのは…」
ミレイは彼に問われたことで、自分でもコントロール不能なこの感情に、ひとつの答えを見つけ出す。
「…辛いから、泣いているんです…!!」
「……」
「あなたの過去が辛いんです!カルロさんがそんな事をしたなんて信じたくない…っ」
「あんたに、俺の過去を測る権利はない…。嫌悪するなら勝手にしなよ」
俺という人間に正常さを期待したのはあんただ。
本性を知って幻滅するのも、そちらの自由。
「──…あんたにどう思われようと、俺は…何も感じない」
無関心はカルロの得意分野。
いつものように何にも興味を抱かずに生きていれば…ミレイの気持ちなど、彼にはどうでもいいことだ。

