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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第20章 猫と、彼の闇

──しかし、ミレイはそうもいかないのだ。
「あなたがよくても!──わたしが…っ、悲しいって…!! そう言ってるの…!!」
彼女は無関心でいられない。
彼の過去を「嫌悪」のひとことで受け流せない。
彼女はそれほど器用じゃないし、なにより…
「──…だってカルロさんは…っ」
「……?」
「カルロさんはわたしにとって、どうでもいい存在じゃない…っ」
「…何 を…、言っている…──」
そらしていた目を はたと戻して
カルロは彼女に振り返る。
いつの間にかミレイは顔をあげ、こちらを真っ直ぐ見上げていた。
自身を強く睨んでくるその目に
カルロは一種の恐怖にも似た感情を覚えた。
「意味不明だ。さっさと、俺の前から消えろ…っ」
「消えない!」
「‥‥!?」
「消えてなんて、あげませんから…!」
消えてたまるものですか
彼にどれだけ突き放されたって離れるものか
「わたしの頭の中は──…もう…
カルロさんの事でいっぱいだから…っ…!!」
これほどのショックを受けて、やっと自覚できた気がする。
わたしにとって…カルロさんは特別なんだ。

