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第21章 兄弟喧嘩

“ カルロさんの目の前で、別の人に抱かれるなんてイヤ…っ ”

助けてほしい。
ハルトを止めてほしい。

キャミソールをまくられ、下着もただぶら下がっているだけの状態で、ハルトに身体をまさぐられながらミレイは彼を頼った。


「…ﾊｧ…っ、ぁ、…やめ……!!」

「ふん…さっそく良い声になってきやがった」

「──‥アっ」

ハルトが胸の尖端を二本の指ではさみ、ぐにぐにと弄ってくるものだから堪らない。

ミレイはカルロを見たまま眉根を寄せた。





「──…」


そんな彼女の表情を見たカルロは

何かを心に決めて、こちらに歩いてきた。



「……面倒…だな」


いつもの言葉を呟き、二人の前にくる。




「…っ…ﾊｧ、ﾊｧ…カルロ、さん」

「……」


よかった

ハルトくんを止めてくれる。

そう思ったミレイは自然と彼に微笑んでいた。


やっぱり彼はこういう人だ。

怠そうにしていても、面倒だって文句を言いつつも、彼はちゃんと助けてくれる。


“ それがあなたの優しさですよね？カルロさん ”


たとえわたしに興味がなくても──。





　

「──…あんた」


「ﾊｧ、ﾊｧ…っ」


「後悔するなら、勝手にしとけばいいよ」


「──…？」


カルロがゆっくりと腕を伸ばす。


しかし、彼が掴んだのはハルトではなく
何故か──ミレイの顎だった。