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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第22章 歪んだ愛

シャク...
「美味しい?」
「は い…」
「──そう」
こうしていると本当に、スミヤは優しい彼氏のようだった。
食欲がないであろうことを先読みして、果物を用意するところも抜け目ない。
でも……
「あの…っ。こんな事してもらっても、わたしはスミヤさんを好きになったりしませんよ…!?」
この姿は真の彼じゃない。
これは周りを騙すための仮の皮──。この果物と同じように剥いてしまえば、狂気さえ感じる彼の本性が隠れている。
それを、ミレイは知っているから。
「だからわざわざ看病してくれなくても…」
「──…フ、フフッ…。好きになるって?いつ誰が、君にそんなことを頼んだのかな」
はっきりと断りをいれた彼女に対して
スミヤは余裕のある笑みを浮かべて、次のひとつにフォークを刺しながら言葉を返した。

