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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

“ カルロさん達のお父さん… ”
それをふまえて見てみると確かに頷ける。
彼の顔はカルロに似ていた。
タレ気味の目と、きりっとした細い眉毛。常に眉根を寄せたその表情が、そっくりと言えなくもない。
だがカルロとは違い、倦怠感はまるでなかった。
紳士──という言葉が何よりも当てはまる、そういうところはスミヤと同じだ。
ではハルトとの共通点はあるだろうか。そんな事をミレイが考えていると、ヒデアキが話を続ける。
「君に迷惑をかけているという自覚があるのだよ。寮に入ることを許すわけにもいかず…特例という形で、我が家に住んでもらってはいるが」
「迷惑だなんて、そんなことありません」
世間に公開されている情報によれば歳は50と聞くが、老けているという印象はゼロだ。
顔に浮かぶ小さなシワでさえ、大人の風格を際立たせる手助けにしかなっていない。
なるほど
学園外でも著名な人物である彼だが、女性人気が高いという話もあながち嘘ではなさそうだ。
“ こういう人を " おじさま " なんて呼ぶのかしら ”
きれいな年の取り方をしている人だ。
ミレイから見た印象はそれが大きかった。

