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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

フッ...
「──…君は笑うと、実に母親そっくりだ…」
「…?…、母、ですか?」
「ああ」
つられるようにヒデアキも笑みを見せ
頭に置いた手を滑らせると、ミレイの目の下に軽く触れた。
一瞬くすぐられて、すぐに手は離れる。
「理事長はわたしの母をご存知ですか?」
「よく、知っているとも」
急に母のことを言われて、予想外だった彼女はすぐさまヒデアキに聞き返した。
早口で聞くミレイに対して、彼はゆっくりと話す。
もともと寡黙な人なのだろう。
「初耳です…!母とはどこで会ったんですか?やっぱりお仕事とか、それとも、学生時代に…?」
「彼女がLGAに入学した時、私はここの教官見習いだったのだよ」
「そうなんですね」
ミレイの母が入学といえば20年以上も前のこと。
そんな昔から " 教える側 " だっただなんて、彼もやはりハルトのようなエリートコースを歩んできたというわけか。
“ ハルトくんの場合、そこにはきっと大きな努力があったのだけれど… ”
前言撤回。
ハルトの人生を、エリートコースというひと言でまとめるのは不適切だった。

