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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第23章 元凶

彼はミレイをじっと見ていた。
“ 違う──… ”
いや、…彼女の向こうの、アンナを見ていた。
しかもただ見ているだけではない。その視線は…熱っぽい。
それに気付いてしまったから、ミレイの背中に震えが走った。
それがきっかけで彼女は他にも気付いてしまう。
扉が……
もともと開け放たれていた部屋の扉が、いつの間にか閉まっていたのだ。
ヒデアキが、中に入った時に閉めたのだろう。
“ ……あ、怖い ”
一瞬前まで何も感じていなかったのに、ここでミレイは、初めて怖いと思った。
「震えている…。寒いのか?」
「あ‥ッ」
パシッ──
熱が悪化したのかと心配して伸ばされた手を、ミレイは思わず振り払う。

