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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第24章 血の因果( インガ)

「もちろん、本気──…ですよ」
そう答えた一瞬だけ、スミヤの顔は真剣だった。
「僕はあまりこの国の未来に興味がない。ボディーガード連盟の立場なんて…どうとでもなれですよ。だから冗談を言うメリットもないですし」
「そうか…」
「絶賛反抗期中のハルトも、どうやらミレイにお熱みたいで…。僕と同じ選択をすると思います」
そこまで言ってスミヤは兄の方へ振り向く。
「…後は、兄さんの了承さえあれば」
「──…」
「父さんを警察に引き渡す。彼女のために協力してほしい」
カルロとスミヤの視線が合わさり、数秒の沈黙が流れる。
「……勝手に、しろ」
「ありがとう」
そして折れたカルロは銃を下ろし、安全装置を元に戻してベルトに直した。
「……!!」
ミレイが口をはさむ暇もない。
「──…と、言うわけだよ父さん」
「まさかお前が……とはな」
「…どういう訳かね」
落ち着きはらった二人の会話は、大物の幕引きの瞬間として似つかわしい──。

