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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫

カルロは片手で頭を支え、もう片方の手で本棚を指差す。
「……ん」
「…、あのー…っ」
一番上の、左から五番目──。
彼の言葉を頭の中で反芻し、ミレイは首をかしげて尋ねた。
「もしかして取って来いってことですか?」
「立つのがダルい」
「…わ…かりましたけど」
読んでいたところに栞を挟んで閉じる。
なんでこんな事を頼まれたのか理解もできずに、とりあえず立ち上がったミレイは、彼の椅子の後ろを通りすぎて本棚に向かった。
彼の方が近いのに
自分でとればいいのに
…その言葉を呑み込んで。
「これですか?」
「…違う…。五番目だと言っただろう」
「あ、これか」
彼が指す場所を目で追って、見つけたそれにミレイは手を伸ばした。
書籍のつまった重そうな箱の隣に、カルロお目当ての本がある。
背伸びしてぎりぎり背表紙に指が届いた。

