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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第26章 迎え─ミレイの選択

「石頭白( イトシロ )……さん」
名刺に書かれた名字を読み上げる。
珍しい名前だ。
やはり聞き覚えはない。
“ 警察庁、警備局……。つまり警察の人? ”
渡された名刺にはさらに、そのような肩書きが記されていた。
警察組織にはあまり詳しくないミレイだが、彼は警官なのだろうと考えた。
“ それなら理事長のことで? ”
ともすると、東城ヒデアキの逮捕に関係があるのかもしれない。
次の言葉を待つミレイが顔をあげると、目があった男は品よく微笑んで見せた。
「よく、初めの二文字で " いしあたま " とからかわれる」
「石頭?…ああ、本当ですね」
「……」
つられて笑った彼女を見て
石頭白( イトシロ )と名乗る男は微笑んでいた顔を苦くしかめた。

