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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

《 わたしはカルロさんの側にいたい…!! 》
──そう言って泣くあんたを、どう受け止めるべきか俺にはわからない。
何度も突き放した
幾度となく、脅してきた…。
それでも諦めないあんたが、とにかく恐ろしく思えた。
俺という血が継いだサディズムな本能が、あんたに反応して暴れようとする──。
それを抑えるのがどれほど、苦痛だったか。
「……いや、…もういい」
もういいんだ。
思い出すな。
このまま忘れて…今まで、通り……。
......
チャプ...
空を仰ぐカルロの額から、また汗が伝い落ちる。
彼は、忘れようとしても忘れられない。
こちらを真っ直ぐと見つめてくる目と、そこにある瞳を揺るがす涙の膜を思い出し…
自分の下で身をよじりながら、素直に喘ぐ彼女の声を思い出し…
「……っ」
その光景に欲情している自分自身を、自覚する。

