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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第28章 奪回

腰にタオルを巻いたスミヤが、入り口で立ち止まっている。
左右に目を動かしてカルロとハルトを確認しながら、このまま湯に入るべきか迷っていた。
「仲が良いことだ。…僕はお邪魔かな」
「…はぁ?…っ…何言ってる!べつに仲良くなんかしてねぇ」
「そうかい」
怒るハルトの反応に満足気に微笑んで、彼は足を前に踏み出す。
「じゃあ遠慮せず」
実のところ今のスミヤはかなり疲弊しており、いっこくも早く疲れを取りたい。
彼は二人のちょうど真ん中にゆっくりと入り、胸まで浸かる場所で腰を下ろした。
二人が三人になり──よくわからない沈黙が再び始まってしまった。
「……チッ」
ザブン ッ‥
「…あがるのかい?」
「髪洗うんだよ!この気まずい沈黙に付き合う義理はない」
「可笑しなことを言うね。風呂は静かに入るものでしょ」
耐えかねたハルトが乱暴に湯を動かしながら出ていこうとすると、スミヤが呼び止める。

