この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第1章 Prologue──あの日の青年
…次に彼女が目覚めたのは、いつもの施設の自室であった。
母親代わりの職員達に話を聞くと、ひとりの青年が気絶した彼女をここまで運んできたのだと言う。
ベッドに横たわっていた彼女は、職員に支えられながら重たい身体を起こした。
ふと…
『 ……?』
横に目を遣ると
『 あのジャケット… 』
『 ああ、あれは…ミレイちゃんを運んできてくれた男の子が、あなたに着せてくれていた服よ 』
返すタイミング逃しちゃって…
そう話しながら、職員の女性は壁にかけたジャケットを手にとって彼女に渡した。
サイズの大きな男物の上着。
彼女は渡されたそれをじっと見詰める。
『 ──…!! このバッジ、って 』
そして彼女は、ジャケットの胸元に光る銀色のバッジに目を止めた。
翼の模様をした独特なデザイン──
それを、彼女はよく知っていた。