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第30章 欠けた愛を 抱きしめて

警官にふんしてホテルに潜入し
いざ、彼女を捕まえた時──

「カルロさんの迎えを待っている」と騒ぎ立てる彼女を、その腕で抱きかかえた時

全てをひっくり返された。

本来の目的を忘れて、彼女を抱くことしか頭に残らなかった。



殺す必要なんて無いのだと

彼は気付いたからだ。




......



「…あんたの表情…っ…そそる。…ﾊｧ…ｸｸ…、もっと、泣かせてやる……」

「…アっアっ‥アっ！」

「…もう…逃がせないからな…」


手離さない。

誰にも譲らない。

母さんを親父に殺された時のように…後悔はしたくない。