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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第30章 欠けた愛を 抱きしめて

俺はずっと臆病だった。

大切なものが自分の前から逃げていく

それに怯えるあまり、親父と同じ愛し方を覚えてしまった。

どうせ消えるなら…

いつか、いなくなるのなら…俺の手で殺して、自分だけのものに変えてやると

その衝動こそが愛情だと思い込んで──。


“ それは間違いだな。今なら…わかる ”


カルロはミレイを抱きながら、全ての元凶である父親に向かって話し始めた。



「…あんたの言う愛情は……ただの、言い訳……」


「…っ!‥ッ…!?…カルロ…さん…?」


「あんたも臆病だっただけだ…!!…ッ…愛した女が…手に入らず……殺すことでしか、繋ぎ止めれなかったんだろう…?」


「……だ、れと…ッハァ…、話し て…?」


「──…俺は、違う」


ここにいない男に話しかける彼を、不思議そうにミレイが見詰める。



「俺はあんたとは違う…っ。愛した女に逃げられようと…必ず、取り戻す……」


「……!」


「殺すのは……愛しぬいた後だ」



臆病になるのは、やめだ。

親父に支配された自分はここで捨てる。



俺は俺のやり方で……



「俺はミレイを、愛してみせる…──」



" 今の " 俺には、それができる。



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