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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第30章 欠けた愛を 抱きしめて

頬を包む掌から伝わる体温は、少し冷たかった。
「…愛しています…カルロさん」
ミレイはそこに自らの手を重ねると、瞼を下ろして今の幸せにひたった。
いまだ下腹部を支配する灼熱を感じながら、ゆっくりと深く息を吐き出す。
「あんたの愛って、何?」
「…わたしの、ですか……?」
「そうだ」
「…一緒にいたいと 願うこと。
苦しみを和らげたいと思うこと。
意外な一面を知って…嬉しくなること。
自分を愛してほしいと…願う、ことです…」
カルロに問われれば、その答えは途切れなかった。
答えるのは簡単だった。
カルロと出会い…それからの自分の、翻弄され続けた心を思い返せばいいだけのこと。
「何だそれは─…ク、忙しいな……。…面倒臭くならないわけ?」
「……っ」
「──…だが、そう か、確かに。
俺にとっての愛は、面倒ごと以外の何でもない」
「──…ッ…、カルロさんにとったら、そうかも」
彼女にとっての愛は、怠惰な気質のカルロにしてみればうんざりする内容かもしれない。
「他の奴なら絶対にしない…。あんただから、してやっても悪くないと、思える」
「──…」
──…そう
例外は、彼女だけ。

