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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

ふわふわとした金髪。
長い前髪は彼の表情をほとんど隠していて、ちゃんと前が見えているのか不安になる。
カルロが現れたことによって、刃物を持った男は悔しそうに舌を打った。
「お前もあいつに雇われた奴か?」
「……」
「どうなんだよ!」
「……違う」
「はぁ?…嘘つくな」
──嘘ではない。
ミレイは心の中で、男にそう言い返した。
カルロは今回 雇われたガードマンではない。
ここにいる筈ないのに…どうして。
ミレイにもさっぱりわからない。
その疑問にカルロは答えた。
「──…俺の契約者は、この女だ」
「…はあ?」
「俺はこいつを、護衛している。……あんたがこいつにそのナイフを向けている以上は──…。……」
「……?」
「……いい。…話すの、ダルい」
「……っ」
なめた態度のカルロを見て、男の額にはぴくぴくと筋が浮き出る。
反対にぽかんとした表情のミレイを、カルロは鼻で笑った。

