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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

優雅で甘い声色──それに、爽やかな話し方。
ともすると、1年前に彼に見せ付けられた狂気じみた内面を、忘れそうになる。
「それより、ハルトくんがLGAを卒業したのは本当ですか?」
「そうだよ」
1年──そう
あれからもう、そんな月日が流れていた。
正確に言えば1年と2ヶ月。
ミレイは実の父親、ジンの意向でLGAを中退した後、彼女を迎えに来たカルロと共に都内のマンションで暮らしている。
彼女はすぐに別の養成校に入学して、1年近くの訓練を受けて晴れて卒業──。
小さな警備会社に就職して、ガードマンとして働き始めたところだ。
そして先日、東城ハルトがLGAを卒業し、海外のとある要人と専属契約を結んだことが、この業界ではもっぱらの噂になっていた。
LGA創立以来の天才青年の名は
それほど注目を浴びていたのだろう。
18歳になったハルトは銃の所持も認められて、一人前のガードマンになったのだ。

