この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「ひとりで外国に行ったんだ…ハルトくん」
「心配しなくても寂しくなったら戻ってくるさ」
「…スミヤさんは?卒業する気はなさそうですね」
「ああ…僕はね」
電話の向こう側からは、スミヤの声の他に、カチャカチャと部品を扱う音が聞こえる。
彼はちょうど…銃の手入れの最中だろうか。
「僕は、教官になるための試験を受けているんだ」
「え!…教官っ…?」
「…そう。手始めにLGA( ココ )の教官になって…それから」
「……!!」
「──…この学園のトップに、君臨してみようかなってね。そういう計画」
学園のトップ──つまりは、理事長に。
スミヤの目標を聞いたミレイは、納得できるが…やっぱり意外な、不思議な心境だった。
LGA学園は、彼らの父、東城ヒデアキがここまで成長させてきたと言っても過言でない。
そう…スミヤにとってこの学園は、他人に譲り渡せる場所ではないのだ。
それでも意外だ。
彼が、こんなふうに学園に愛着を持っていたなんて知らなかったから。

