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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

“ とは言ったものの緊張するなぁ ”
チョキン..
前髪の先っぽにそーっとハサミを入れると、切られた髪の毛がパラパラとゴミ箱に落ちていく。
「長さのリクエストは?」
「…っ…あんたの好きにすればいい」
「そう言われても困るんですけど…」
パッつん前髪にだけはならないように縦にハサミを入れながら、少しずつ短くしていった。
チョキン、チョキン
そうやって短くしていくと隠れていた目が現れて、薄い茶色をした彼の瞳が隙間から覗いた。
「カルロさん、目を…閉じないと」
「…なんで」
「髪の毛がはいるかもしれないし」
「いいから…早くしなよ」
大人しくこちらを見ているカルロと目があったことで、二人の近さを改めて意識する。
慎重なミレイは顔を近付けていたし
まるでこのまま…キスでもしそうな距離感。
「──…物欲しそうな顔」
「…っ…な、何ですか?」
「頬を赤らめて何を考えてる?」
「……//」
目の前の彼に向けられた
魔性の笑み──。
さっきまで大あくびしていたくせに、それは不意打ちすぎるトラップで。
「何も考えてないですよ!しゅ…ッ…集中できないから目を閉じてくださいよ…っ」
「ククっ、…騒がしい、やつ…」
ミレイの顔は一瞬でゆでダコに。

