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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

カルロは含み笑うと、言われたとおり目を閉じる。
またからかわれた
本当にこの人は卑怯だとミレイはつくづく思った。
“ うまく言い返せないわたしも悪いけど ”
チョキン...チョキ
“ この1年間、ずっと変わらない…っ。相変わらず自分勝手で、だらしなくて…! ”
チョキン...
「……」
なのに、不意に見せる顔に、胸の奥を掴まれる。
気まぐれのようにみせる気遣いに、いちいち舞い上がってしまう。
…こんなに卑怯な人は、見たことがない。
“ わざと変な髪型にしようかな ”
そうしたら、さすがの彼も何か反応を返してくれるだろうか。
困り顔のカルロさんとか、興味がある。
「…、…ふふっ」
ふくれ面だった彼女だが、怒っているのも馬鹿らしくなってきた。
ハサミを動かす指もしだいに慣れてきて、ミレイは段々と楽しくなっている自分に気が付いた。
今、カルロは目を閉じているから
その姿を観察し放題だ。

