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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「──…あんた…、なに、してんの」
「……!」
勢いあまって仰向けにひっくり返ったカルロは
危うく頭をぶつところだ。
「……ぁ」
「……重い」
「ごめんなさい、わざとじゃ…っ…」
「…っ…何故、笑ってる?」
「だって」
無我夢中で押してみたものの、この結果までは予想していなかったミレイは
込み上げてくる笑いを堪えることができない。
何故なら彼女の目の前には、普段なら絶対に見られない彼の表情があったから。
驚いている
それに少し、呆れている
…そんなカルロさんの表情は、とても無防備で。
「…フフっ……なんだか、おかしい」
「どうした?…たまには、あんたから襲うのか?」
「襲うって…っ…」
馬乗りのままで、ミレイは彼を見下ろす。
冷房が付いているこの部屋は窓を閉めているのだけれど
不思議だな
二人の間に、爽やかな風が吹き込んだ気がした。
切ったばかりのカルロの前髪の分け目から、右のおでこが覗いていて
「…じゃあ少しだけっ、襲います…ね」
ミレイはその額にキスを落とし
…彼の胸にもたれて、頬を付けた。
カルロの胸には、日だまりに置かれたベンチのような温もりがあった。

