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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

「急に、甘えるのか……?」
「はい……、ん…」
カルロは抵抗しない。
自身の上に乗り、胸板に顔をうずめてきた彼女の背中へ──そっと…手を添える。
一方の手で、ミレイの髪の毛に指を入れてすいた。
今の彼女は栗色ストレートの髪を肩の上で切り揃えており、長さでいうとカルロとあまり変わらないかもしれない。
「…嫌な気はしない…。猫みたいだ」
「…フフっ、どっちが」
けっこう上機嫌で呟いたカルロに、ミレイはまたもや笑ってしまう。
自分勝手で、我が儘で、…動くのが大キライ
猫にそっくりなのはカルロさんのほうだ。
それにしても
“ …そっか、猫…か ”
猫のようだと言われて、そのキーワードに深い意味を考えなくなったのは…
それほどに、この1年間が二人にとって平和であった証拠だろうか。
“ ……知ってる?カルロさん ”
猫はね……自分の死期を悟ると
誰にも見られない所に姿を隠すんです。
大好きな人の目に死んだ自分を見せたくないから
人知れずこの世と決別する──。
そんな生き物、なんですよ。

