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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第31章 Epilogue ── とある恋人たちの日常

カルロは今、ミレイと同じ様にフリーのガードマンとして働いている。
…しかし正確には、ミレイと同じとは言い難く、彼はどの警備会社にも所属していない。
誰かの専属でもなく、組織に入るわけでもなく…
それはガードマンとして異例なことである。
「…本当に…これからもずっと専属契約の話を断っていくつもりですか?」
その自由な生き方は──確かに彼らしい。
しかしカルロほどの男が、あらゆる権力も地位も捨てて生きていく様は、誰もが惜しいと思うだろう。
「知っているんですよ。毎日のように専属の誘いを受けていること…」
「…何度言えばわかる…。俺が契約をしたのはあんただ」
「そうです、でも…っ…わたしじゃあ、カルロさんにお給料払えないですよ」
《 あんたにしてやる、俺の命を捧げる相手…─ 》
あの日の誓いを、カルロはずっと守っているのだ。
「─…給料?…フン…そんなもの、身体で払いなよ」
「…ッ…そういう問題じゃ、ないでしょう?」
「そういう問題だろう」
カルロは地位や権力、称賛に……少しの興味も示さない。
そんな彼の無関心を崩すもの──
それが、ミレイだから。

