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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第6章 誤解
「…あいつの代わりに、僕が謝るよ」
「……え?そんなっ‥」
スミヤは弟の行動に呆れて頭をかいた。
──しっとりとウェーブがかった黒髪。
「風呂場の鍵は閉めていたらしいね。ただ…あの程度なら、僕たちは簡単に開けられるんだ」
「開けるんですか…」
「ハルトはよく開ける。癖だね、あれは」
閉まった鍵を開けるのが…癖?
やはりあの男は理解できない。
「君の部屋の鍵はコンピューターを持ち出さないと攻略し辛そうだし安心していい。でも風呂場のことは…父さんも見落としたんだろう」
スミヤの言葉は、コンピューターを使えば彼女の部屋を開けるのも可能だと、暗に示している。
しかし幸いなことに、ミレイはそれに気付かなかった。
彼女が引っ掛かったのは…
その直後の言葉。
「──…だから、自分の女を息子に抱かれるなんて異常事態を引き起こしたんだ」
「……!?」
「君からしたら酷いとばっちりだよね…ハァ」
「ご、ごめんなさい…。いま、なんて…!?」
とても聞き流せる内容ではなかった。