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星の島で恋をした【完結】
第23章 《二十三》
戸惑っているセルマに対して、リクハルドは急に機嫌がよくなったようで、嬉しそうな声を上げた。
「さて、ようやく二人きりになれたな」
セルマはリクハルドが唇を塞ごうとしたのをとっさに悟り、リクハルドの頬に手を掛けて止めた。
リクハルドは止められたことで不満そうな表情をセルマに向けてきたが、セルマは手を外さなかった。
「え……と、あのっ。今のは、なにっ?」
「今のなにと言われても、舟がないからこうやって帰るしかないだろう」
セルマの質問にリクハルドは不機嫌な表情を向けてきたが、納得がいかないセルマは質問を重ねた。
「飛んだの?」
「飛んだというか、星の力を借りて移動した」
それでも納得がいかなくて、質問しようと口を開いた途端、リクハルドはセルマの手をするりと抜き取るとあっという間に唇を塞ぎ、しかも舌を口内に押し込んできた。
「んーっ!」
最初から深すぎる口づけにセルマは思いっきり鼻から息を吸い込むと、潮の香りが鼻腔をくすぐった。
意識していなかったけれど、それは島にいる間、常に感じていた匂い。
リクハルドはここにずっといたため、彼の匂いの一部となっているもの。
その匂いを感じながら、セルマはリクハルドの口づけを受け入れていた。
リクハルドの舌がセルマの口内を確かめるように這い回り、刺激されて息が上がってきた。
それに伴って身体からさらに力が抜けて、セルマはリクハルドの身体にしがみついた。
水音が耳朶を打ち、身体が熱くなってくる。
しばらくの間、ふたりは互いを確かめるかのようにキスをしていたが、リクハルドから唇を離した。
物足りなさにセルマは潤んだ瞳でリクハルドを半ば睨みつけるように見上げた。
「セルマ」
少し息を乱したリクハルドに名を呼ばれ、セルマは無言で視線を返した。
「セルマを初めて見たとき、すごく心が騒いだ。それが嫌で俺はセルマに帰るように攻撃をした」
「……うん」
「そのあと、まさか気絶するとは思わなくて……さすがにまずいと思って救出するために触れたら……その、止まらなくて、……ごめん」
「さて、ようやく二人きりになれたな」
セルマはリクハルドが唇を塞ごうとしたのをとっさに悟り、リクハルドの頬に手を掛けて止めた。
リクハルドは止められたことで不満そうな表情をセルマに向けてきたが、セルマは手を外さなかった。
「え……と、あのっ。今のは、なにっ?」
「今のなにと言われても、舟がないからこうやって帰るしかないだろう」
セルマの質問にリクハルドは不機嫌な表情を向けてきたが、納得がいかないセルマは質問を重ねた。
「飛んだの?」
「飛んだというか、星の力を借りて移動した」
それでも納得がいかなくて、質問しようと口を開いた途端、リクハルドはセルマの手をするりと抜き取るとあっという間に唇を塞ぎ、しかも舌を口内に押し込んできた。
「んーっ!」
最初から深すぎる口づけにセルマは思いっきり鼻から息を吸い込むと、潮の香りが鼻腔をくすぐった。
意識していなかったけれど、それは島にいる間、常に感じていた匂い。
リクハルドはここにずっといたため、彼の匂いの一部となっているもの。
その匂いを感じながら、セルマはリクハルドの口づけを受け入れていた。
リクハルドの舌がセルマの口内を確かめるように這い回り、刺激されて息が上がってきた。
それに伴って身体からさらに力が抜けて、セルマはリクハルドの身体にしがみついた。
水音が耳朶を打ち、身体が熱くなってくる。
しばらくの間、ふたりは互いを確かめるかのようにキスをしていたが、リクハルドから唇を離した。
物足りなさにセルマは潤んだ瞳でリクハルドを半ば睨みつけるように見上げた。
「セルマ」
少し息を乱したリクハルドに名を呼ばれ、セルマは無言で視線を返した。
「セルマを初めて見たとき、すごく心が騒いだ。それが嫌で俺はセルマに帰るように攻撃をした」
「……うん」
「そのあと、まさか気絶するとは思わなくて……さすがにまずいと思って救出するために触れたら……その、止まらなくて、……ごめん」