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星の島で恋をした【完結】
第3章 《三》
*
真っ白な世界から戻ってきて最初に思ったのは、この行為の正当性だった。
途中、セルマも我を忘れてなにをされているのか分からずに自ら求めるような行動をとったような気がしたが、そもそもがどうして全裸にされて、身体を弄ぶようなことをされていたのだろうか。
ひどい辱めだった。
止めるように言ったのに、男はセルマを絶頂まで持って行き、弾けさせたのだ。
「な……に、するのよっ!」
すっかり冷静になったセルマは自分の格好を忘れ、身体を起こすと男につかみかかった。
「だから、治療だ」
「なにが治療よ! あなた今、私になにをしたのか……っ!」
そう言うなり、男はセルマの左肩を掴んだ。かなり強い力で掴まれていて、肩がぎしぎしいっている。
セルマは目を見開き、それから男の手を左手を使って振り払った。強く握られていた割には、あっさりと男の手が外れた。
「さっきまで痛がってたくせに」
「……あっ!」
男に指摘されて、セルマは気がついた。
「痛く……ない?」
カティヤ王女をかばって左肩に矢を受けてからこちら、少し動かしただけでも激痛が走っていた場所がまったく痛まないのだ。セルマは息を整えながら金色の男を見た。
「どうだ、少しは痛みが引いたか」
「…………」
金色の男はセルマにそう告げた後、濡れた手を目を細めながら舐めていた。手首には布が巻かれていて、そちらも明らかに濡れていた。
どうして濡れているのか、なんで舐めているのか──そのことに思い至ったセルマは真っ赤になった。
「なっ……!」
「やはり、美味いな。カティヤが懐いているだけある」
男の口からカティヤ王女の名前が出てきてはっとした。
そうだ、カティヤ王女からこの島を管理している人間がいると聞いていた。こんな島だし、カティヤ王女はそれ以上は特になにも言わなかったから枯れた老人がいるのだろうと思っていたのだが……。
目の前の金色の男は若く、そして悔しいことに美しかった。そう、星の化身のように……。
「……人間、なの?」
セルマの呟きに男は目をすがめ、セルマを見た。
「俺がなんだったらよかった?」
真っ白な世界から戻ってきて最初に思ったのは、この行為の正当性だった。
途中、セルマも我を忘れてなにをされているのか分からずに自ら求めるような行動をとったような気がしたが、そもそもがどうして全裸にされて、身体を弄ぶようなことをされていたのだろうか。
ひどい辱めだった。
止めるように言ったのに、男はセルマを絶頂まで持って行き、弾けさせたのだ。
「な……に、するのよっ!」
すっかり冷静になったセルマは自分の格好を忘れ、身体を起こすと男につかみかかった。
「だから、治療だ」
「なにが治療よ! あなた今、私になにをしたのか……っ!」
そう言うなり、男はセルマの左肩を掴んだ。かなり強い力で掴まれていて、肩がぎしぎしいっている。
セルマは目を見開き、それから男の手を左手を使って振り払った。強く握られていた割には、あっさりと男の手が外れた。
「さっきまで痛がってたくせに」
「……あっ!」
男に指摘されて、セルマは気がついた。
「痛く……ない?」
カティヤ王女をかばって左肩に矢を受けてからこちら、少し動かしただけでも激痛が走っていた場所がまったく痛まないのだ。セルマは息を整えながら金色の男を見た。
「どうだ、少しは痛みが引いたか」
「…………」
金色の男はセルマにそう告げた後、濡れた手を目を細めながら舐めていた。手首には布が巻かれていて、そちらも明らかに濡れていた。
どうして濡れているのか、なんで舐めているのか──そのことに思い至ったセルマは真っ赤になった。
「なっ……!」
「やはり、美味いな。カティヤが懐いているだけある」
男の口からカティヤ王女の名前が出てきてはっとした。
そうだ、カティヤ王女からこの島を管理している人間がいると聞いていた。こんな島だし、カティヤ王女はそれ以上は特になにも言わなかったから枯れた老人がいるのだろうと思っていたのだが……。
目の前の金色の男は若く、そして悔しいことに美しかった。そう、星の化身のように……。
「……人間、なの?」
セルマの呟きに男は目をすがめ、セルマを見た。
「俺がなんだったらよかった?」