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星の島で恋をした【完結】
第7章 《七》
それならば、セルマは白い光に焼かれ、ここで呪いとともに朽ち果てればいいのだろうか。島はセルマを焼いてくれるのだろうか。
もしもそれができるのなら──とセルマは勇気を持ってガゼボの端まで行って、島に足を踏み出そうとしたが、今度は固まったように動けなくなった。
どうしてと思ったら、肩口の蔦がのびてきて、セルマの足を絡め取っていた。
セルマは蔦に必死にあらがってガゼボから出ようとしたが、動けなかった。
そうやって苦戦していると、食事を用意してきた男が戻ってきた。
蔦と格闘しているセルマを見て、男は戸惑いの声を上げた。
「なにをしている」
「星に焼かれようかと」
セルマの答えに男は怒鳴った。
「おまえは馬鹿か!」
「……馬鹿とはなによ」
男のののしりの言葉に、セルマは足を止め、睨みつけた。男は眉尻をあげ、憤怒の表情をセルマに向けていた。
「どうしておまえは自分を大切にしない? そんなのでカティヤを護れるのかっ!」
「カティヤ王女を護ったから、だからこんな呪いを……っ!」
売り言葉に買い言葉だったが、セルマはそこまで口にして、慌てて口を押さえた。
これではまるで、カティヤ王女を責めているかのようではないか。
「私は……っ!」
急にしおらしくなったセルマの反応に、男は金色の瞳を向けてきた。
「おまえはどうしたい?」
その問いかけにセルマは戸惑った。
どうしたいと問われても、セルマの中には明確な答えなど持っていなかった。
カティヤ王女を護って肩に矢を被弾した。それがなければ今も変わらずカティヤ王女のそばにいて護っていたはずだ。セルマにはそれ以外の未来像はなく、怪我をしてカティヤ王女のそばから離脱することなんてこれっぽっちも考えていなかったのだ。
カティヤ王女に言われるがままにここに来たが、肩の傷がまさかの呪いを受けていたのを知り、セルマはどうすればいいのか途方に暮れていた。
そのセルマに男は答えを迫ってきた。
「カティヤの元に戻りたいのか、それともここで朽ち果てるのか」
もしもそれができるのなら──とセルマは勇気を持ってガゼボの端まで行って、島に足を踏み出そうとしたが、今度は固まったように動けなくなった。
どうしてと思ったら、肩口の蔦がのびてきて、セルマの足を絡め取っていた。
セルマは蔦に必死にあらがってガゼボから出ようとしたが、動けなかった。
そうやって苦戦していると、食事を用意してきた男が戻ってきた。
蔦と格闘しているセルマを見て、男は戸惑いの声を上げた。
「なにをしている」
「星に焼かれようかと」
セルマの答えに男は怒鳴った。
「おまえは馬鹿か!」
「……馬鹿とはなによ」
男のののしりの言葉に、セルマは足を止め、睨みつけた。男は眉尻をあげ、憤怒の表情をセルマに向けていた。
「どうしておまえは自分を大切にしない? そんなのでカティヤを護れるのかっ!」
「カティヤ王女を護ったから、だからこんな呪いを……っ!」
売り言葉に買い言葉だったが、セルマはそこまで口にして、慌てて口を押さえた。
これではまるで、カティヤ王女を責めているかのようではないか。
「私は……っ!」
急にしおらしくなったセルマの反応に、男は金色の瞳を向けてきた。
「おまえはどうしたい?」
その問いかけにセルマは戸惑った。
どうしたいと問われても、セルマの中には明確な答えなど持っていなかった。
カティヤ王女を護って肩に矢を被弾した。それがなければ今も変わらずカティヤ王女のそばにいて護っていたはずだ。セルマにはそれ以外の未来像はなく、怪我をしてカティヤ王女のそばから離脱することなんてこれっぽっちも考えていなかったのだ。
カティヤ王女に言われるがままにここに来たが、肩の傷がまさかの呪いを受けていたのを知り、セルマはどうすればいいのか途方に暮れていた。
そのセルマに男は答えを迫ってきた。
「カティヤの元に戻りたいのか、それともここで朽ち果てるのか」