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星の島で恋をした【完結】
第8章 《八》
人心地着いたセルマは改めてあたりを見ると、すっかり暗くなっていた。満足したお腹のおかげで少しゆったりとした気持ちになり、セルマはガゼボの縁に腰を掛けて島を見渡した。
昼間は黒かった島は太陽の光をしっかり浴びていたからか、食べ始めようとしたときはもっと淡い白だったのに、その輝きがなくなった途端、代わりといわんばかりに白く輝き始めていた。
白く輝く島は太陽ほどのまばゆさはなかったが明るくて、くさくさとしたセルマの心を少しずつほぐしてくれるような優しさがあった。
しばらくそうしてぼんやりしていたのだが、セルマの耳に聞き慣れない不思議な音がしてきて、その音の正体を探って──この島がどうして『星の墓場』と言われるのか、セルマは知った。
「あ……」
ひゅん……という音とともに空から星が島へと落ちてきた。
星がぶつかる……! と思うとそれは島にぶつかる前にひときわ強い光を放って弾け、淡い金色の光になると消えていく。
それは島のあちこちで見られ、とても幻想的だった。
「綺麗だろう?」
瞬きするのも忘れて美しい光景に見とれていたセルマの後ろから男が声を掛けてきた。セルマは振り返らなかった。
「寿命が来た星は空から落ちてきて、ここで最期の力を振り絞って弾け、島と一体化する」
男はセルマの真後ろに来たかと思ったら、セルマを抱えるようにして座った。
男のまさかの行動にセルマは身をよじってあらがったが男の力には敵わず、ぎゅうっと抱きしめられた。
その温もりにセルマの身体から無意識のうちに力が抜けていってしまったが、口では精一杯の虚勢を張った。
「なにをするのよっ!」
「今にも消えてしまいそうだったから、ここに本当にいるのかどうかを確かめたかった」
昼間は黒かった島は太陽の光をしっかり浴びていたからか、食べ始めようとしたときはもっと淡い白だったのに、その輝きがなくなった途端、代わりといわんばかりに白く輝き始めていた。
白く輝く島は太陽ほどのまばゆさはなかったが明るくて、くさくさとしたセルマの心を少しずつほぐしてくれるような優しさがあった。
しばらくそうしてぼんやりしていたのだが、セルマの耳に聞き慣れない不思議な音がしてきて、その音の正体を探って──この島がどうして『星の墓場』と言われるのか、セルマは知った。
「あ……」
ひゅん……という音とともに空から星が島へと落ちてきた。
星がぶつかる……! と思うとそれは島にぶつかる前にひときわ強い光を放って弾け、淡い金色の光になると消えていく。
それは島のあちこちで見られ、とても幻想的だった。
「綺麗だろう?」
瞬きするのも忘れて美しい光景に見とれていたセルマの後ろから男が声を掛けてきた。セルマは振り返らなかった。
「寿命が来た星は空から落ちてきて、ここで最期の力を振り絞って弾け、島と一体化する」
男はセルマの真後ろに来たかと思ったら、セルマを抱えるようにして座った。
男のまさかの行動にセルマは身をよじってあらがったが男の力には敵わず、ぎゅうっと抱きしめられた。
その温もりにセルマの身体から無意識のうちに力が抜けていってしまったが、口では精一杯の虚勢を張った。
「なにをするのよっ!」
「今にも消えてしまいそうだったから、ここに本当にいるのかどうかを確かめたかった」