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星の島で恋をした【完結】
第1章 《一》
セルマが島へ足を踏み入れた途端、ぞくりと背筋が震えた。
セルマはとっさに飛び退った。直後、セルマがいた場所に金色の矢が数本、突き刺さった。
「……ぅっ」
急な動きに治りきっていない左肩が痛みを訴えて呻き声が洩れたが、セルマは気合いでそれを押し込め、矢が飛んできた方向へ鋭い視線を向けた。しかし、そこにはだれもいない。
「だれっ」
セルマの声にしかし、今度は別の方向から矢が飛んできた。
セルマは矢を避けるために後退したとき、舟着き場へと後戻りしていた。荷物を舟着き場に投げ出し、さらに飛び退いた。舟着き場は狭いため、矢を避けたセルマの身体は海中へと落ちた。
「うぁぁ……っ」
音を立てて海中に落ちたセルマは、あまりの痛さに身悶えた。肩に矢を受けてから数日しか経っていないため、傷はまだふさがっていない。海水が左肩の傷口に入り込んできて染みた。
セルマが落ちた場所は浅いために膝立ちすれば顔が出るほどだが、半ば転がり落ちるような状況だったため、肩から落ちてしまった。しかもあまりの痛さに海水に落ちたときに体勢を崩し、身体が完全に海水の中へと潜り込んでしまった。痛さに海水の中で悲鳴を上げそうになったが、そんなことをしたら口内に海水が入ってきて息ができなくなる。声を上げるのを我慢して、痛みのない右腕を必死に動かしてどうにか体勢を整えると、ようようの体でざばりと音を立てて海面に顔を出すことに成功した。
海水を吸って重たくなった服。負傷した肩口には海水が染み込んできて、酷く痛い。
「う……くぅっ」
セルマはとっさに飛び退った。直後、セルマがいた場所に金色の矢が数本、突き刺さった。
「……ぅっ」
急な動きに治りきっていない左肩が痛みを訴えて呻き声が洩れたが、セルマは気合いでそれを押し込め、矢が飛んできた方向へ鋭い視線を向けた。しかし、そこにはだれもいない。
「だれっ」
セルマの声にしかし、今度は別の方向から矢が飛んできた。
セルマは矢を避けるために後退したとき、舟着き場へと後戻りしていた。荷物を舟着き場に投げ出し、さらに飛び退いた。舟着き場は狭いため、矢を避けたセルマの身体は海中へと落ちた。
「うぁぁ……っ」
音を立てて海中に落ちたセルマは、あまりの痛さに身悶えた。肩に矢を受けてから数日しか経っていないため、傷はまだふさがっていない。海水が左肩の傷口に入り込んできて染みた。
セルマが落ちた場所は浅いために膝立ちすれば顔が出るほどだが、半ば転がり落ちるような状況だったため、肩から落ちてしまった。しかもあまりの痛さに海水に落ちたときに体勢を崩し、身体が完全に海水の中へと潜り込んでしまった。痛さに海水の中で悲鳴を上げそうになったが、そんなことをしたら口内に海水が入ってきて息ができなくなる。声を上げるのを我慢して、痛みのない右腕を必死に動かしてどうにか体勢を整えると、ようようの体でざばりと音を立てて海面に顔を出すことに成功した。
海水を吸って重たくなった服。負傷した肩口には海水が染み込んできて、酷く痛い。
「う……くぅっ」