この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
星の島で恋をした【完結】
第1章 《一》
セルマは呻き声を上げた後、気合いだけで重たい身体を奮い立たせて立ち上がった。
透明な海水がゆらゆらと揺れて、寄せては返す波がセルマを容赦なく岸へ沖へとやろうとする。セルマは岸へと波が返すときに一緒に足を動かし、ようやく上陸することができた。
到着早々、なんだというのだ。
そう思っていると、セルマの耳にまたもやひゅん……という矢が飛ばされた音がして、反射的に身体を引こうとしたが、身体に張り付く濡れた服のせいで思い通りにならない。身体を必死に操り、右後方へ身体をずらした。
セルマの目の前に金色の矢が横切り、島の黒い地面に突き刺さった。
そこは、先ほどまでセルマが立っていた場所。正確な矢の軌跡に、この矢を放った人物の力量が見えて、セルマはぞっとした。
あのまま突っ立っていたら、セルマはまたもや矢に射抜かれるところだった──。
その恐怖を振り払うため、セルマは震えそうになる声に力を込めて、張り上げた。
「さっきからだれなのっ!」
矢が飛んできた方向へと視線を向けると、黒しかないと思っていた島に、一条の金色の光。また矢を放たれたのかと後退しようとしたが、よく見ればそこには金色の髪を持つ美しい男が立っていた。
星の化身を見ることができればきっと、目の前に立つ男のようなのだろうと──。
そこでセルマの意識はぷつりと途切れた。
透明な海水がゆらゆらと揺れて、寄せては返す波がセルマを容赦なく岸へ沖へとやろうとする。セルマは岸へと波が返すときに一緒に足を動かし、ようやく上陸することができた。
到着早々、なんだというのだ。
そう思っていると、セルマの耳にまたもやひゅん……という矢が飛ばされた音がして、反射的に身体を引こうとしたが、身体に張り付く濡れた服のせいで思い通りにならない。身体を必死に操り、右後方へ身体をずらした。
セルマの目の前に金色の矢が横切り、島の黒い地面に突き刺さった。
そこは、先ほどまでセルマが立っていた場所。正確な矢の軌跡に、この矢を放った人物の力量が見えて、セルマはぞっとした。
あのまま突っ立っていたら、セルマはまたもや矢に射抜かれるところだった──。
その恐怖を振り払うため、セルマは震えそうになる声に力を込めて、張り上げた。
「さっきからだれなのっ!」
矢が飛んできた方向へと視線を向けると、黒しかないと思っていた島に、一条の金色の光。また矢を放たれたのかと後退しようとしたが、よく見ればそこには金色の髪を持つ美しい男が立っていた。
星の化身を見ることができればきっと、目の前に立つ男のようなのだろうと──。
そこでセルマの意識はぷつりと途切れた。